2012年04月08日

岩手物語

ひょんなことから「おでんそーれ~かんから三線届けたい~」の
岩手県山田南小学校訪問に加わることになった。
短い様な気もしたが、業務上、2泊3日での強行スケジュール。
「一度は行ってみたい」「でも何ができるのだろう」「単なる励ましは何にもならない」
「頑張って」「元気だして」ではなく、「そばにいる」「同じ時を過ごす」という事しかできない。
いろいろな思いを抱きつつ、また井上陽水さんの「氷の世界」が頭でリフレイン中、
まずは、ユニクロへヒートテック(パッチと呼ばないらしい)なるものを購入し、いざ出発!


1日目:~飛行機、モノレール、電車、バスでの移動~

那覇空港より羽田空港まで飛行機で2時間半。
栃木から2時間かけて来た元同僚とモノレール、電車で30分。
元同僚とは東京駅にてお別れ。
日本酒とつまみ等をいただき、各自弁当を購入し、東京駅より盛岡まで新幹線で2時間半。
雪のちらつく中、盛岡からバスにて宮古市まで2時間半。
約8時間。さすがに遠い所へきた印象。外の空気はやはり冷たい。
ホテルでチェックインし、交流会場所へ移動。
交流会場所までの道のりは、さすがに寒く、若干1名震えていた。

楽しい交流会を終え、最後の締めは、お勧めの冷麺を食べるために移動。
皆が冷麺を食べる中、震えていた若干1名は熱いラーメンをすすっていた。
しかし、震えながらも彼はダジャレは言い続けていた。


2日目:~「岩手県宮古市山田町立南小学校」へ~

小学校へ行くまでの道のりを海岸沿いに車で移動
⇒1年近くたっての現状、防波堤や更地をみて言葉も出ない。
小学校に着くと、素敵な文字で歓迎のお出迎え。嬉しかった。
エイサー姿、琉装姿、チョンダラー姿の3人を筆頭にいざ授業へ!

「すべる」「寒い」「無反応」関係なく、ローカルネタでしゃべり続けるエイサー男。
その時タイミングよくチョンダラー男が、本物のうーじ(サトウキビ)を膝で折り、
歯で皮をむいて、しゃぶる見本演技。一気にヒートアップし、子ども達に歓声が上がる。

後半は、かんから三線のパーツを組み立て、デコレーションして完成。
一緒に「かんから三線うむしるむん」は、練習時間がなく、
一緒に演奏はできなかったが、沖縄民謡を披露。

その後、子ども達の初披露となる伝統芸能「虎舞」の演舞に、逆に励まされた自分がいた。
正直、何故か熱いものが込み上げてきて、涙をこらえるのに必死でした。
佐賀敏子校長をはじめ、先生方の教育、特に子ども達への深い愛情を感じました。

あっという間に、午前の授業を終え、昼食は、復活した「かき小屋」(昼食)にて牡蠣の食べ放題。
何年間分食べたのではないでしょうか。大満足。
他のお客さんからのリクエストで沖縄民謡演奏。最後は全員で、カチャーシー。
ここは沖縄?と思うような岩手の昼下がりであった。
港の近くまで車で案内され、瓦礫の山や更地等にまたもや言葉も出ない。
プラットホームは残っているが、線路はなし。木は燃えて焼けて真っ黒。またしても無言。虚脱感のみ。

「仮設住宅でのコンサート」では、なかなか前を向いて演奏できない自分がいる。
ここでも子ども達やお年寄りの笑顔に癒される。
夕方は、佐々木先生、スタッフ、学校の先生方との交流会。
場所は、「酒と肴 千 ささき」(プレハブで再スタートをきったとの事)。
自己紹介や三線でのうた会。最後はやはりカチャーシー。沖縄と何にも変わらない。
変わっているのは、外の温度がマイナスだという事。
ここの人達の心の温度は沖縄以上にあたたかい。
まさに「いちゃりばちょーでー」。
その勢いで、2次会へ。場所はちょっとおしゃれなショットバー。ここでも三線コンサート。
帰り際に、マスターの娘さんが山田南小学校5年生(今日の授業を受けていた)と聞き、
これまたビックリ!なんと狭い事か。と思いつつホテルへ。
朝早くから遅くまで、車で送迎してくれた佐々木先生、堂田さん本当に心から感謝します。
ありがとうございました。


3日目:~後ろ髪をひかれつつ沖縄へ~

朝バス停へ。すでに行列ができていた。
前の日、遅くまで付き合ってくれ、しかも勤務があるにもかかわらず、
佐々木先生が岩手日報(山田南小学校でのかんから三線の記事掲載された)を
人数分持ってきてくれて、大感激。
姿が見えなくなるまで、手を振ってくれていた。
盛岡駅に着くと、お土産購入と腹ごしらえ。
新幹線へ乗り込んだとたん、少し肩の荷が下り、リラックスし小宴会で盛り上がる。
電車、モノレールで羽田空港着。
「カレーが食べたい」とのキャプテンのリクエストに男3人で羽田カレーを食べる。
お土産を買い足し、搭乗口へ移動。
「飛行機」が出発するまでのハプニングについては、個人情報保護もあり、他の人の記事に委ねる。
飛行機での爆睡後、那覇空港へ到着。解散となる。


今回の岩手訪問を通して、出会った岩手の人たちの暖かさをすごく感じました。
それと子ども達や仮設住宅の人達は、何かに夢中になっている時は、
そんなに感じないのかも知れませんが、学校や集いから帰って一人になった時とかに、
「何を感じ、何を思い出すのだろうか?」と思いました。
「忘れられないもの」「忘れてはいけないもの」「忘れたいもの」等あるでしょうけれども、
2012年3月11日、被災1年目を迎えた時に、「どう感じるのだろう?」「自分にできる事は何だろう?」
色々な事を宿題として持ち帰り、答えは見つかるかわかりませんが、自分なりに考え続けたいと思います。

今回は、正味1日だけ(往復移動2日間)の訪問でしたが、
できれば、次回にもう少し、できれば1週間位訪問したいと思いました。
1週間でも短いのかも知れませんが、「共に同じ時間・空間・場所にいる」という事で、
少しは共感できる部分も見えてくるような気がします。
「これからがスタートだ。」そう心の中でつぶやきつつペンをおく事にします。


                                  作業療法士  安里 克也



Posted by おでんそーれ at 20:25│Comments(0)
 
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