「おでんそーれ」ができるまで

おでんそーれ

2011年10月11日 13:02

本日のブログは少しだけ真面目なお話です。
過去2回にわたって書いてきた、私たちの(遊んでいるだけにも感じられる)活動。
その活動が始まった経緯や、なぜ、岩手県山田町の方言と沖縄の方言が合わさって
「おでんそーれ」という言葉ができたのか、なんてことを少し語れれば、と思っています。
といっても、語るのは私ではなく、「おでんそーれ」の代表ですが。。
それでは、以下、代表からのメッセージになりますので、どうぞお読みください。


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みなさん、はじめまして。
私は「おでんそーれ カンカラ三線届けたい」の代表を務めさせていただいている
横田泉(よこた みつる)と申します。
沖縄県那覇市にあるオリブ山病院という病院で精神科の医師をしています。
今回は、私たち「おでんそーれ カンカラ三線届けたい」が設立されたいきさつをお話ししたいと思います。


3月11日の震災の後、復興支援が始まりたくさんのボランティアが東北に向かいました。
神戸・淡路大震災の経験から、震災後の心のケアの必要性が早期から認識されており、
各地方から心のケアチームが被災地を訪れ活動を始めました。
沖縄でも県と各精神科医療機関が連携して「沖縄県心のケアチーム」が結成され、4月から活動が始まりました。
継続的な活動ができるようにということで、沖縄チームは岩手県大船渡市を中心に活動することになりました。
私はこのチームの一員として、7月に8日間現地を訪れ、相談や訪問活動にあたらせてもらいました。
その際、以前からの知り合いである佐々木清志さんが盛岡から大船渡まで来てくださり、
忙しい中1日活動にも同行してくれたのです。
8日間という短い期間でしたが、実際に現地を訪れ、相談に来られた人の話や佐々木さんの話を聞く中で、
今回の被害の大きさを知り、復興には長い時間がかかること、継続した支援が必要であることを感じました。
またこの時、佐々木さんが岩手県山田町で「復興支援ネット・オデンセ山田」を設立したことを知りました。

佐々木さんたちが立ち上げた「復興支援ネット・オデンセ山田」は、仮設住宅移転後の諸問題に対処すべく
山田町内外の有志によって設立されたグループです。
人と人とのつながり、支え合いが復興を牽引するという信念のもと活動を始めておられます。
(詳しくはオデンセ山田のブログをご覧ください) 

佐々木さんたちの活動に私たちも何か協力できないかと考え、話し合っているうちに浮かんできたのが、
沖縄の戦後復興のシンボルであるカンカラ三線を東北の皆さんに届けるという計画でした。
沖縄の人は良くご存知のことですが、カンカラ三線には、「歴史」があります。
日本で唯一の地上戦でたくさんの住民が犠牲になった沖縄。
戦後も米軍統治下におかれ、物資もなく、精神的にも不安でよりどころがなかった中で、
沖縄の人たちの心の支えとなったのが唄と三線でした。
しかし戦争であらゆるものが失われました。もちろん三線もありません。
そこで、沖縄の人たちは、米軍から支給される粉ミルクや食料の缶を胴体に、ベッドの足や廃材を棹に、
落下傘のヒモを絃にして三線を組み立てました。
これがカンカラ三線です。
カンカラ三線は、どんな状況であっても「心の豊かさ」を大切にした、沖縄の精神の象徴とも言えるものなのです。

このカンカラ三線を東北に届けることで、沖縄と東北をつないでいくことができれば・・・

という思いで、この活動を始めることにしました。

グループ名「おでんそーれ」は、山田町の方言で「おいでください」を意味する「オデンセ」と
沖縄のことばで「おいでください」を意味する「めんそーれ」を組み合わせた造語です。
「オデンセ!」
「めんそーれ!」
と声を掛け合いながら、長い交流ができるようにとの思いを込めて付けました。
皆様のご理解、ご協力をいただければ幸いです。

おでんそーれ カンカラ三線届けたい 代表 横田 泉(よこた みつる)

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いかがでしょうか。
アルコールを片手に実行委員会を開いたり、カンカラ三線を作ってはしゃいだり、
はたまた地域の敬老会に参加してお弁当をもらっちゃったりしていますが、
それらの活動は全て、こんな思いを胸に行ってきたのです。
この活動が、1人でも多くの人に伝わるよう、
唄や音楽を通して1人でも多くの被災地の方に笑顔が生まれるよう、
私たち自身が楽しく笑顔で活動を行っていければと思っていますので、
どうぞ、よろしくお願いいたします。